フリーターと正社員の違いとは何なのでしょうか?
一般的によく知られているのは、ボーナスの有無を含めた給料の差についてですが、実はフリーターと正社員の違いは収入だけではありません。
フリーターと正社員の間には、収入だけではなく「結婚の難易度」や「社会的な信用」「働き方」「老後の生活」にも違いがあるのです。
本記事では、このようなフリーターと正社員の違い全てを「収入/福利厚生」「結婚の難易度」「社会的な信用」「働き方」「老後の生活」という5分類に分けて紹介していきます。
本記事を参照すれば、フリーターと正社員の違いについての知識は完全にマスターすることが出来ます。
是非、参考にしてみてください。
目次
フリーターと正社員の違いまとめ
「①収入/福利厚生」「②結婚の難易度」「③社会的な信用」「④働き方」「⑤老後の生活」という5分類ごとの「フリーターと正社員の違い」は下記の通りになります。
分類 | #: 項目 | フリーター | 正社員 |
① 収入/福利厚生 | #1: 平均年収 (*1) | 140万円 | 310万円 |
#2: ボーナス有無 | 無し | 有り | |
#3: 給料上昇(昇給) | 無し | 有り | |
#4: 生涯賃金 (*2) | 0.532億円 | 2.6億円 | |
#5: 公的医療保険 | 国民健康保険 | 健康保険 | |
#6: 雇用の安定(終身雇用) | 無し | 有り | |
#7: 雇用保険 | 1週間20時間以上労働で加入義務 | 加入義務有り | |
#8: 年金種別 | 国民年金 | 厚生年金 | |
#9: 年金支払額(年間) (*3) | 196,560円 | 213,936円 | |
#10: 家賃補助 | 無し | 場合により有り | |
#11: 一人暮らし | 難しい | 容易 | |
#12: 社内研修/従業員教育 | 薄い | 手厚い | |
#13: 社員旅行/交流会 | 無し | 場合により有り | |
② 結婚難易度 | #14: 結婚難易度(男性) | 難しい | 容易 |
#15: 結婚難易度(女性) | 容易 | 容易 | |
③ 社会的な信用 | #16: ローン/カード審査 | 通りづらい | 通りやすい |
#17: 社会からの目 | だらしなく見える | しっかり者に見える | |
#18: 友人との格差 | 感じる | 感じない | |
④ 働き方 | #19: 休日 | 不定期 | 定期的 |
#20: 長期休暇 | 取りづらい | 取りやすい | |
#21: 昇進/キャリアアップ | 無し | 有り | |
#22: 仕事内容 | 単純労働 | 様々な知的労働 | |
#23: 転職 | しづらい | しやすい | |
#24: 時間の余裕 | 有り | 無し | |
#25: 辞めやすさ | 辞めやすい | 辞めづらい | |
#26: 人間関係 | 流動的 | 固定的 | |
#27: 転勤 | 無し | 有り | |
#28: 責任の重さ | 軽い | 重い | |
#29: 残業 | 少ない傾向 | 多い傾向 | |
⑤ 老後の生活 | #30: 年金種別 | 国民年金 | 厚生年金 |
#31: 平均年金受給月額 | 54,000円 | 148,000円 | |
#32: 退職金 | 無し | 有り | |
#33: 経済状況 | 貧乏 | 裕福 | |
*1: 25歳~29歳の場合の平均年収。他年代の平均年収についてはこちらを要参照。 *2: 正社員の生涯賃金2.6億円は大卒男の数値を引用。他セグメントの数値についてはこちらを要参照。 *3: 年収240万円の場合の年間支払額。詳細はこちらを要参照。 |
それぞれの違いについて詳細に解説していきます。
フリーターと正社員の違い①:収入/福利厚生
最初に、分類1つ目の「収入/福利厚生」について下記にて説明していきます。
分類 | 項目 | フリーター | 正社員 |
収入 | #1: 平均年収 (*1) | 140万円 | 310万円 |
#2: ボーナス有無 | 無し | 有り | |
#3: 給料上昇(昇給) | 無し | 有り | |
#4: 生涯賃金 (*2) | 0.532億円 | 2.6億円 | |
福利厚生 | #5: 健康保険 | 国民健康保険 | 健康保険 |
#6: 雇用の安定(終身雇用) | 無し | 有り | |
#7: 雇用保険 | 週20時間以上労働で加入義務 | 加入義務有り | |
#8: 年金種別 | 国民年金 | 厚生年金 | |
#9: 年金支払い額(年間) (*3) | 196,560円 | 213,936円 | |
#10: 家賃補助 | 無し | 場合により有り | |
#11: 一人暮らし | 難しい | 容易 | |
#12: 社内研修/従業員教育 | 薄い | 手厚い | |
#13: 社員旅行/交流会 | 無し | 場合により有り | |
*1: 25歳~29歳の場合の平均年収。他年代の平均年収についてはこちらを要参照。 *2: 正社員の生涯賃金2.6億円は大卒男の数値を引用。他セグメントの数値についてはこちらを要参照。 *3: 年収240万円の場合の年間支払額。詳細はこちらを要参照。 |
それぞれの項目について順番に説明していきます。
フリーターと正社員の違い①#1: 平均年収
フリーターと正社員の違いとして最も多く挙げられるのが平均年収です。
厚生労働省発表のデータによると、25歳~29歳の正社員の平均年収は310万円であるのに対して、フリーターの平均年収は140万円ほどしかありません。
フリーターと正社員の平均年収にこれほどまでの差が生じるのは、後に説明するようにボーナスの有無が大きく影響しています。
また、これも後で説明するように、フリーターでいると正社員の場合に受けられる福利厚生のメリットを享受することが出来ないため、実質的な年収には額面以上の差があるという事実もあります。
フリーターと正社員の違い①#2: ボーナス有無
フリーターと正社員の年収の大きな差を生み出している主要因が、このボーナスの有無についてです。
正社員として働くと通常の場合、給料の1カ月~2か月分のボーナスを半年に1度貰うことが出来ますが、フリーターの場合はボーナスを貰うことが出来ません。
若い時は、正社員とフリーターで月収に大きな差がないので「フリーターの方が仕事が楽だしメリットが大きいのでは」と考える人もいるのですが、実際はフリーターはボーナスを貰えないため、正社員と比較して収入の面で大きく見劣りします。
フリーターと正社員の違い①#3: 給料上昇(昇給)
正社員として働くと昇給のチャンスがあり、年を重ねるにつれて給料が上がっていきますが、フリーターの場合はその限りではなく、長く働いたとしても給料は低いままです。
正社員は年齢を重ねるたびに給料が上昇するのに対し、フリーターの場合はそうではないため、年齢を重ねるにつれてフリーターと正社員の格差はどんどん開いていきます。
20代の時はフリーターと正社員の間で収入に大きな差は感じないかもしれませんが、30代以降になるとその差は歴然としたものになります。
20代でフリーターをしている人は、今は貧乏をあまり感じないかもしれませんが、30代以降になると感じやすくなることを覚悟しておくようにしましょう。
フリーターと正社員の違い①#4: 生涯賃金
これまで説明したように、正社員の場合はボーナスが貰えることに加えて、年齢を重ねるにつれて給料が上がっていくのに対し、フリーターの場合はボーナスも昇給もないため、生涯賃金にも大きな差が生じます。
『(独)労働政策研究・研修機構』のデータによると、正社員の生涯賃金は2.6億円であるのに対し、フリーターの場合は0.532億円です。
この数字は、フリーターと正社員の月収や年収の差より如実に大きな差に感じるものですよね。
フリーターと正社員の差は20代の若い時は小さいものですが、年齢を重ねるにつれて指数関数的に大きくなっていくため、最終結果の生涯賃金を見ると、これほどまでに大きな数字の差が生まれてしまうのです。
フリーターと正社員の違い①#5: 健康保険
フリーターと正社員は加入することになる健康保険においても違いがあります。
フリーターが加入する健康保険は「国民健康保険」です。一方、正社員の場合は通常、加入する保険は「組合健康保険」になります。
「国民健康保険」は国民年金と同じように国が運用を行う保険になります、正社員が加入する組合保険は、業界や会社といった組合単位で運用を行う健康保険になります。
支払うことになる保険料や、病院にかかる時の負担割合に大差はないのですが、正社員が加入する組合保険の場合は、様々な組合による福利厚生サービスを受けることが出来るのが特徴です。
フリーターと正社員の違い①#6: 雇用の安定(終身雇用)
フリーターと正社員では、雇用の安定度合いも大きく異なります。
日本の法律では、正社員の解雇は基本的に禁じられているため、正社員の雇用は安定しています。
一方、フリーター等の非正規雇用の場合は、正社員と比較すると簡単に解雇の対象となってしまいます。
フリーターは正社員に比べて、雇用の安定性が極端に低いということです。
安定した雇用のもと安定した生活を送りたいと考えている場合は、間違いなくフリーターではなく正社員になるべきであると言えるでしょう。
フリーターと正社員の違い①#7: 雇用保険
フリーターと正社員の雇用保険における違いは、正社員は無条件に雇用保険の対象になるのに対して、フリーターの場合は週に20時間以上働いた場合に雇用保険の対象になるということです。
基本的にアルバイトで日々の生計を立てているフリーターの方は、週に20時間以上働いていることは普通です。
このため、ほとんど全てのフリーターの方は雇用保険に加入することになるので、雇用保険に関してはフリーターと正社員で大きな差はないと見なすことが出来ます。
フリーターと正社員の違い①#8: 年金種別
フリーターと正社員では加入する年金の種別も異なります。
フリーターの場合は国民年金に加入することになりますが、正社員の場合は厚生年金に加入することになります。
正社員が加入する厚生年金は会社が掛け金の半額を負担してくれることに加え、フリーターが加入する国民年金に比べて月々の負担額が多いため、老後に貰うことになる年金の額にも大きな差が生じます。
老後に受け取る年金の額は、国民年金という制度のなかで年金を支払うフリーターより、厚生年金と言う制度のなかで年金を支払う正社員の方が圧倒的に多いのです。
フリーターと正社員の違い①#9: 年金支払い額(年間)
フリーターが加入することになる国民年金の場合、年間支払額は196,560円になります。
一方、正社員が加入することになる厚生年金の場合、年間支払額は213,936円になります。
国民年金と厚生年金では年間支払額に大差はありませんが、先ほども説明した通り厚生年金の場合は会社が従業員の代わりに半額を支払ってくれるので、老後に貰うことになる年金の額はより大きなものになります。
フリーターと正社員の違い①#10: 家賃補助
正社員として就職した場合、会社によっては家賃補助の支給や、社宅への入居といった福利厚生サービスを受けることが出来ます。
フリーター等の非正規雇用の場合は、一般的に正社員には権利ある家賃補助や社宅への入居といった福利厚生サービスを受けることが出来ません。
家賃補助などの福利厚生サービスは、給料の額面以外における正社員とフリーターの差として広く世間に認識されています。
フリーターと正社員で給料の月額が同じだとしても、家賃補助などの福利厚生サービスまで考慮に入れるとほとんどの場合、正社員の方が良い待遇で働くことが出来ています。
フリーターと正社員の違い①#11: 一人暮らし
フリーターの場合、正社員とは異なり家賃補助や社宅への入居といった「住」に関する福利厚生サービスを受けることは出来ないため、一人暮らしをした場合、かなりの貧乏生活を強いられることになります。
正社員としてでも、家賃補助や社宅への入居といった「住」に関する福利厚生サービスを受けることが出来ない上に、給料も安い場合には一人暮らしをしたら貧乏生活に陥る可能性が高いですが、フリーター等の非正規雇用よりは裕福な暮らしをすることが可能です。
また、正社員として働いた場合は通常昇給があります。このため、勤務年数を重ねるにつれて給料が上昇していくため、徐々に生活にも余裕が出てくるでしょう。
フリーターと正社員の違い①#12: 社内研修/従業員教育
フリーターと正社員では社内研修や従業員教育も大きく異なります。
フリーター等の非正規雇用の場合は、業務を行うなかで必要になるマニュアル等の研究しかないのが通常ですが、正社員の場合は「ビジネスマンとしてのスキルアップ」などのより普遍的な能力に対しても研修を実施してくれる傾向があります。
将来的に、市場価値の高いビジネスマンとしてキャリアを積んでいきたい場合は、正社員として就職をすることにより、会社の従業員教育の恩恵を存分に受けることを考えた方が良いと言えるでしょう。
フリーターと正社員の違い①#13: 社内旅行/交流会
正社員として就職した場合は、社内旅行や交流会に参加できるチャンスが大きくなります。
フリーター等の非正規雇用の場合は、現場の人間関係だけに閉じてしまう傾向がありますが、正社員の場合は会社全体にわたって広いコミュニティに触れることが出来る傾向にあります。
フリーターと正社員の違い②:結婚の難易度
続いて、分類2つ目の「結婚の難易度」について順番に説明していきます。
項目 | フリーター | 正社員 |
#14: 結婚難易度(男性) | 難しい | 容易 |
#15: 結婚難易度(女性) | 容易 | 容易 |
フリーターと正社員の違い②#14: 結婚難易度(男性)
一般的にフリーターとして仕事をしていると、正社員として仕事をしている場合に比べて、男性は結婚の難易度が高くなる傾向にあります。
下記記事でも解説している通り、男性の場合は「経済力」が結婚できるかどうかに大きな影響を与えるため、収入に差があるフリーターと正社員では結婚の難易度に差が生じてしまいます。
フリーターと正社員の違い②#15: 結婚難易度(女性)
男性はフリーターをしていると結婚が難しくなる傾向にあるのに対して、女性の場合はフリーターをしていても結婚が難しくなることは基本的にありません。
下記の厚生労働省のデータによると、男性の場合は非正規雇用労働者の方が婚姻率が下がる傾向にあるが、女性の場合は非正規雇用だと婚姻率が下がる傾向にあるどころかむしろ上がっていることが読み取れます。
参考:厚生労働省職業安定局‐非正規雇用対策・若年雇用対策について
フリーターと正社員の違い③:社会的な信用
さらに、分類3つ目の「社会的な信用」についても下記にて説明していきます。
項目 | フリーター | 正社員 |
#16: ローン/カード審査 | 通りづらい | 通りやすい |
#17: 社会からの目 | だらしなく見える | しっかり者に見える |
#18: 友人との格差 | 感じる | 感じない |
フリーターと正社員の違い③#16: ローン/カード審査
フリーターとして働いていると、住宅ローンや保険等の各種金融商品の審査に通り辛いという状況になりやすいです。
正社員として働いている場合は、雇用が安定しているため住宅ローンや各種金融商品の審査にも通りやすく、将来を見据えた柔軟な家計管理を実現することが出来ます。
フリーターと正社員の違い③#17: 社会からの目
フリーターをしていると正社員をしている場合に比べて、社会からの第一印象があまり良くない傾向にあります。
一般的な傾向として、フリーターをしている人より正社員としてバリバリ働いている人の方がしっかりとしている印象がありますよね?
その印象の通り、日本社会全般からの目は、フリーターをしていると正社員をしている場合より厳しくなってしまう傾向にあるのです。
フリーターと正社員の違い③#18: 友人との格差
若い時はフリーターと正社員の間で格差を感じることは少ないのですが、年を重ねるにつれて格差を感じやすくなります。
その理由は、フリーターは正社員と異なり、基本的に昇給がないからです。
ずっと時給ベースの同じ給料で働いているフリーターと異なり、正社員として仕事をする場合は年々給料が上がっていくので、同世代のフリーターと正社員の格差は年齢を重ねるにつれて大きくなっていきます。
フリーターと正社員の違い④:働き方
ここからは分類4つ目の「働き方」について下記にて解説していきます。
項目 | フリーター | 正社員 |
#19: 休日 | 不定期 | 定期的 |
#20: 長期休暇 | 取りづらい | 取りやすい |
#21: 昇進/キャリアアップ | 無し | 有り |
#22: 仕事内容 | 単純労働 | 様々な知的労働 |
#23: 転職 | しづらい | しやすい |
#24: 時間の余裕 | 有り | 無し |
#25: 辞めやすさ | 辞めやすい | 辞めづらい |
#26: 人間関係 | 流動的 | 固定的 |
#27: 転勤 | 無し | 有り |
#28: 責任の重さ | 軽い | 重い |
#29: 残業 | 少ない傾向 | 多い傾向 |
フリーターと正社員の違い④#19: 休日
正社員として勤務した場合は休日が定期的である場合が多いですが、フリーターとして働くとシフト勤務であることが多いため休日は不定期である傾向にあります。
休日は不定期ですが、フリーターの場合その分、休日の取得に関しては融通が利きやすいため、他にやりたいことがある若者達にとっては理想的な働き方にもなり得ます。
フリーターと正社員の違い④#20: 長期休暇
正社員として仕事をすると有給休暇を上手く利用して長期休暇を取得することが可能ですが、フリーターの場合は同じようなことをするのは難しい傾向にあります。
ただ、フリーターとして勤務をするとシフトの融通が利きやすいため、有給休暇を利用しての長期休暇は取らなくても、長期間自由な時間を確保することは出来るでしょう。
フリーターと正社員の違い④#21: 昇進/キャリアアップ
正社員として勤務をした場合には、昇給やキャリアアップをして年々給料を上昇させることが出来ます。
一方、フリーターとして働くと基本的に給料は時給ベースの一定であるため、正社員のように昇進やキャリアアップを目指すことは難しくなります。
昇進やキャリアップの有無は、収入の増加にも大きな影響を与える重要な要素ですので、将来的な収入や生活の安定を考えると正社員として勤務した方が良いと言えるでしょう。
フリーターと正社員の違い④#22: 仕事内容
フリーターと正社員では仕事内容にも違いが生じます。
一般的に、正社員として働くとフリーターとして働いた場合より責任の重い仕事を任されることになります。
責任が軽い気楽な仕事をしたい人にとってはフリーターとして働くのは良い選択なのかもしれませんが、それでは退屈だと感じる人は正社員として働き、責任のある仕事を任せて貰った方が人生が充実するでしょう。
また、仕事内容によってはフリーター等の非正規雇用の場合は取り組むことになる仕事は単純作業になりますが、正社員として働くと高度な知的労働に従事することになる場合もあります。
フリーターと正社員の違い④#23: 転職
正社員として一定の業務経験があると、そこでの仕事内容が評価されてキャリアアップとしての「転職」という選択を取り易い傾向にあります。
一方、フリーター等の非正規として働いていると、仕事内容自体は誰でも出来るものであるため、その仕事内容が外部から評価されて転職に至ることは少ないです。
フリーターと正社員の違い④#24: 時間の余裕
正社員として仕事をすると責任の重い仕事を際限なく任されることがあるため、フリーターと比較すると自由な時間が極端に少ない傾向にあります。
フリーターとして働くと、勤務スケジュールはシフト制であることが多いため、正社員と比較すると時間の余裕が多くあります。
フリーターとして働くことにより浮いた時間で、自分の好きなことややりたいことを極めてみるというのは良い人生の選択だと言えるでしょう。
フリーターと正社員の違い④#25: 辞めやすさ
フリーターだと比較的気軽に仕事をやめることができますが、正社員の場合は気軽に会社を辞めることは難しい傾向にあります。
ただし、最近は正社員の退職代行サービス等が流行してきているため、お金を払えば正社員だとしても簡単に仕事を辞められる状況が作られてきています。
フリーターと正社員の違い④#26: 人間関係
正社員として一つの会社に長く勤務すると人間関係が固定的になりやすい傾向にあります。
特にストレスが強い環境下にいると、固定的な人間関係はメンタルの調子を崩すリスクをはらむため危険です。
それに比べて、フリーターとして勤務が可能な職場は人材が流動的であるため、固定的な人間関係により生じるストレスとは無縁な状態でいることが出来ます。
フリーターと正社員の違い④#27: 転勤
正社員として働くと、会社の命令により地方や海外に転勤をしなければならないことがあります。
フリーター等の非正規雇用の場合は、正社員のように強制的な転勤とは無縁です。
転勤の強制は正社員として働く最大のリスクとも言えるものです。
フリーターと正社員の違い④#28: 責任の重さ
これは先ほど紹介した「仕事内容」についての説明とも被る部分があるのですが、正社員としての仕事は、フリーター等の非正規雇用の場合の仕事と比べて、責任が重い仕事になります。
「責任の重い仕事など嫌だ」という考えではなく、「責任の重い仕事を任せて貰い充実感を味わいたい」と考えている人は、フリーターとしてではなく正社員として働くことを検討するべきだと言えるでしょう。
フリーターと正社員の違い④#29: 残業
正社員として働くと、会社から時には残業代無しで残業を強いられることがあります。
もちろん残業代無しの残業は法律違反なので基本的にはあってはならないことなのですが、そうではないのが現実です。
フリーター等の非正規雇用労働者として仕事をする場合は、残業を強いられることは基本的にはないと考えて良いでしょう。
フリーターと正社員の違い⑤:老後の生活
最後に分類5つ目の「老後の生活」について解説していきます。
項目 | フリーター | 正社員 |
#30: 年金種別 | 国民年金 | 厚生年金 |
#31: 平均年金受給月額 | 54,000円 | 148,000円 |
#32: 退職金 | 無し | 有り |
#33: 経済状況 | 貧乏 | 裕福 |
それぞれについて順番に説明していきます。
フリーターと正社員の違い⑤#30: 年金種別
正社員として雇われた場合に支払う年金は「厚生年金」になりますが、フリーターの場合は支払う年金は「国民年金」になります。
正社員が支払うことになる「厚生年金」は、会社が半額を従業員の代わりに負担してくれることもあり、「国民年金」に比べて掛け金が多いため、老後に貰える年金の額も「厚生年金」の方が多くなります。
フリーターと正社員の違い⑤#31: 平均年金受給月額
正社員が支払うことになる「厚生年金」は、会社が従業員の代わりに半額を負担してくれることもあり、月々の支払額が「国民年金」に比べて多いため、老後の平均年金受給月額にも差が生じます。
就活キング編集部の調査によると、国民年金の場合の平均年金受給月額は54,000円ですが、厚生年金の場合は148,000円になります。
老後の生活は、これまでに貯めてきた貯金や、確定拠出年金等の他の資産からの収入も見込まれるため、国民年金と厚生年金の受給月額が生活費の全てであるという訳ではありません。
しかし、それでも国民年金と厚生年金の老後の受給額には大きな差があるので、フリーターでいることのリスクは老後にもあることを知っておくようにしましょう。
フリーターと正社員の違い⑤#32: 退職金
正社員として勤務すると退職する際に多額の退職金が貰えるのに対して、フリーター等の非正規雇用の場合は退職金が貰えません。
大企業に就職をすると特に退職金の額は多額なため、老後の生活資金としてとても重要な役割を果たします。
老後の生活において潤沢な資金を確保するためにも、正社員として勤務してがっぽりと退職金を貰うことは大切になります。
フリーターと正社員の違い⑤#33: 老後の経済状況
ここまで説明した通り、正社員は厚生年金に加入しているため、フリーターが加入している国民年金と比べると老後にはより多くの年金が貰えるだけではなく、退職時には退職金も貰えるため、老後にはフリーターと比較して豊かな生活が送れるようになります。
一方、フリーターの場合は老後に貰える年金は国民年金からのわずかな額のみであることが予想されるため、最悪な場合は生活保護に頼ることになりかねません。。
フリーター・正社員のメリット/デメリット
ここまでフリーターと正社員の違いについて説明してきましたが、これらの違いについて考慮した上での両者のメリット/デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
就活キング編集部では、フリーターと正社員のメリット/デメリットには下記のようなものがあると考えています。
項目 | メリット | デメリット |
フリーター |
|
|
正社員 |
|
|
それぞれのメリット/デメリットについて順番に説明していきます。
フリーターのメリット
まずはじめに、フリーターのメリットには下記のようなものがあります。
- ①:モラトリアム期間を楽しめる
- ②:夢を追求できる
- ③:重圧を感じずに日々を過ごすことができる
- ④:転勤や残業を強制されることはない
特にやりたいことがなく今後の方向性が定まらないため、ひとまずモラトリアム期間を設けることが出来るのはフリーターのメリットの1つです。
また、アーティストや芸能人を目指すために敢えて正社員にならずフリーターとして日々食えるだけの収入を確保する生活を選ぶ人もいます。
フリーターのデメリット
次に、フリーターのデメリットには下記のようなものがあります。
- ①:収入が少なく、福利厚生も充実していない
- ②:社会的な信用に乏しく結婚も難しい
- ③:昇給、昇進、キャリアアップが不可能
- ④:老後は貧困に陥る可能性が高い
フリーターのデメリットやなんといっても収入が少ないことや社会的な信用に乏しいことでしょう。
また、フリーターでいると正社員と異なり昇給や昇進の機会が全くないため、老後等の将来の人生を設計することも難しくなってしまいます。
正社員のメリット
正社員のメリットとして考えられるものには下記のようなものがあります。
- ①:収入が多く、福利厚生も充実している
- ②:社会的な信用があり結婚もしやすい
- ③:昇給、昇進、キャリアアップが可能
- ④:老後も豊かな生活がおくれる
正社員のメリットは、フリーターとは異なり、安定して高い収入や福利厚生が見込まれることの他、社会的な信用にも恵まれていることです。
また、昇進やキャリアップも可能なため、社会人生活を積み重ねるにつれて収入を増大させていくことが出来ます。
正社員のデメリット
一方で、正社員のデメリットとして考えられるものには下記のようなものがあります。
- ①:自由な時間が減る
- ②:リスクをとらない分、大きな成功は諦める必要がある
- ③:日々の仕事に重圧を感じてしまう
- ④:転勤や残業を強制されることがある
正社員のデメリットはフリーターと異なり自由な時間が減るため、「自分がやりたいことに集中する」という選択をすることは難しいことです。
また、正社員として働くと、基本的に起業をした場合やアーティストとして成功した場合のように大きな成功をつかむことは出来ません。
以上、『フリーターと正社員の違いとは? 5つの違い(年収/結婚難易度/社会的な信用/働き方/老後の生活)とフリーター・正社員のメリット/デメリットを徹底解説』についての話題でした!